大会教宣展
私鉄総連第93回定期大会教宣展入選作品
第93回定期大会教宣展(25年8月~26年5月31日の間の作成作品を対象)ならびに第56回機関紙講評(25年8月~26年5月31日の間に作成・発行)は、4月上旬より募集対象7部門の作品募集を行い、753点の応募をいただき、審査を行いました。
たくさんのご応募、ありがとうございました。
- 単組紙の部…応募22紙
- 審査員 水嶋 清光((株)広報宣伝総合研究所代表)
- 職場新聞の部…応募64紙
- 審査員 水嶋 清光((株)広報宣伝総合研究所代表)
- 写真の部…応募109点
- 審査員 内村 文男(写真家・前私鉄報道写真集団議長)
- 漫画の部…応募34点
- 審査員 上原 章(イラストレーター)
- かべ新聞の部…応募22紙
- 審査員 水嶋 清光((株)広報宣伝総合研究所代表)
- ポスターの部…応募21点
- 審査員 上原 章(イラストレーター)
- 川柳の部…応募481点
- 審査員 島田 駱舟(印象吟句会 銀河主宰)
審査の結果、中央執行委員会は、入選38作品を決定。
全応募作品は、大会期間中の教宣展で掲示しました。(川柳は入選作品のみ)
入選した組織および個人は、大会2日目に表彰させていただきました。
本ホームページでは、審査員の総評ならびに入賞・最優秀賞作品を掲載いたします。
単組紙の部

入賞:「私鉄新聞地下鉄」
関東地連 東京地下鉄労働組合

入賞:「東武組合新聞」
関東地連 東武鉄道労働組合

入賞:「京和」
関東地連 京成電鉄労働組合

入賞:「北鉄労働」
北陸地連 北陸鉄道労働組合

入賞:「私鉄新聞長電版」
中部地連 長野電鉄労働組合

入賞:「私鉄新聞阪急バス版」
関西地連 阪急バス労働組合
職場新聞の部
総評
変化する職場機関紙で重要なのは中身がより伝わる手法の模索
審査員 水嶋 清光(株式会社広報宣伝総合研究所代表)
今年の応募は16単組64紙と昨年より単組数は2増えましたが応募紙は8紙減ってしまい残念でした。
総数は減りましたが、応募された紙面のレベルは、ものすごくアップしています。そのため入賞紙を6紙に絞るのがとても大変な作業でした。一次選考では14紙がノミネートされ、そこから6紙に絞らせて戴いたわけですが、その際に今回は同一単組からは1紙とさせていただきました。
今年特徴は、①昨年以上に進んだ応募機関紙のカラー化、②紙面を飾る写真の点数が大幅に増えた事です。
組合員の日常生活の中でスマホが当たり前になり、LINEを始めとするやSNSで写真などを使って情報を共有することがスタンダードになりつつあります。そのため文字以外での情報を伝達や共有に対して違和感や抵抗感が少なくなっています。
それを反映してか、職場機関紙でも従来の文字で伝えるスタイルから、写真・イラスト・図表やチャートなどを使って作成する機関紙が増えてきました。比較的従来型の職場機関紙が多い私鉄関係でも、この傾向が顕著になってきました。
こうした紙面の変化で注意が必要なのは、文字を減らして写真で見せることが重要な訳ではありません。重要なのは組合員に伝えたいこと・共有したいことを「どう伝えたらより伝わるか」を考え手法を模索することです。今回の入賞作品には形はそれぞれ異なりますが、そうした工夫がなされていました。
最後に今回惜しくも賞は逃しましたが、『でんき』(京成電鉄労組)『Fresher’s Eye』(名鉄労組)などは、入賞紙と最後まで競った素晴らしい紙面でした。また、『HOT Press』(阪急労組)は今回も優れた内容でしたが、単組の部同様連続受賞にならないように別扱いとしました。

最優秀賞:「くるま」
関東地連 臨港バス交通労働組合
鶴見支部
写真の部
総評
タイトルも写真とマッチしているか撮影した時の工夫・技術的なこともあわせ選考
審査員 内村 文男(写真家・前私鉄報道写真集団議長)
大会教宣展「写真の部」に26単組109作品、多くの応募ありがとうございました。今回の写真は職場で働く仲間、躍動するお祭り、桜の中を走るバスや鉄道、愛らしい動物、季節の花、子供の成長などを撮られた写真が多くありました。
審査にあたり何を思ってシャッターを切り、その瞬間を感じたのか。何を伝えたかったかを見させていただきました。またタイトルも写真とマッチしているか。撮影した時の工夫・技術的なことも見させていただき入賞作品6点を選ばせていただきました。最優秀賞には、光の世界へ出発する未来列車の車掌を描いた作品 山嵜 優仁(やまざき ゆうと)さん(中部地連 長野電鉄労働組合)「出発進行・光の先へ」を最優秀賞に選出いたしました。他に入賞した5人の作品もそれぞれ思いの詰まった素敵な写真です。私の妄想解説と一緒にどうぞご覧ください。

最優秀賞:「出発進行・光の先へ」
中部地連 長野電鉄労働組合
本社支部 山嵜 優仁
漫画の部
総評
漫画の基本はその作品を見た人をどれだけ楽しませることができるか
審査員 上原 章(イラストレーター)
今回漫画の部は34作品の応募がありました。全体的に実力の向上が見られ、とりわけ受賞作品はどれも優れた作品になっていると思います。
最優秀賞は岩手県交通労組の菊地さん、高市首相と熊問題をからめた作品が受賞されました。優秀賞は東武鉄道労組の若林さん。秀逸な4コマ漫画で受賞です。佳作は福島交通労組の遠藤さんと京成電鉄労組の廣瀬さんの作品としました。今回の受賞作品は東北地連と関東地連に集中する結果となりましたが意図したわけではありません。純粋におもしろさと基本に沿った漫画作りをした作品が選択されたということをご理解ください。
一コマ漫画、コマ割り漫画に関わらず漫画の基本は、その作品を見た人をどれだけ楽しませることができるかにかかっていると言えるのではないでしょうか。「楽しむ」のなかには驚く、共感する、笑ってしまうといった要素が含まれています。受賞作品はいずれもその「楽しむ」といった作品に仕上げられています。

最優秀賞:「冬眠せず働いて働いて働いて参ります」
東北地連 岩手県交通労働組合
胆江支部 菊地 英機
かべ新聞の部
総評
今年のかべ新聞応募作品から改めて感じた『手書きの良さ』組合員の『声の大切さ』
審査員 水嶋 清光(株式会社広報宣伝総合研究会代表)
今年は22単組・22紙と昨年より応募数は1紙増えました。ただ、例年応募のあった単組の作品が来ていなかったり、最盛期には38紙の応募があったことを考えると、少し寂しい思いがあります。
情報の伝達手段が多様化する現在、職場でかべ新聞自体を作る組織が減ってしまったのでしょうか? 私はかべ新聞を単なる情報発信手段とは思っていません。かべ新聞の作成の目的は、組合から組合員に向けた情報伝達手段というよりも、春闘の時期に組合員が集まり同じ作業や行動をすることで、「自分たちが当事者として春闘に何らかの形で関わっている」という実感を共有するための「場の提供」がかべ新聞だと考えています。
いま組合員に労組の重要性や存在理由が理解されていない一番の理由は、労働組合が何をしているかを知らない組合員が多いからです。知らない理由は接点がないからです。接点が出来れば理解も進みます。ですので、かべ新聞にはできるだけ多くの組合員が参加することが重要だと思っています。
応募された紙面のレベルは昨年にも増して高くなっています。今回の応募作品の特徴はかべ新聞にしては比較的文字が多い紙面が多かったことです。ここ数年シンプルで見せることにウェートを置いた紙面が優勢でしたが、昨年ぐらいから、中身をしっかり読ませるスタイルのかべ新聞が増えてきました。
これまで主流となっていた、見て感性に訴えるものから、内容をじっくり読んで理解し、納得してもらうことの重要性を、作り手側が改めて実感したからではないでしょうか。
もう一つ、今回の特徴として、手書き(手作り)の再発見があります。今回の受賞作品は1紙を除いてすべて手書きの紙面です。パソコンで作った紙面の良さは多数ありますが、じっくり時間を掛けてていねいにみんなで作り上げた手書きの紙面には、作成に関わった担当者たちの思いが込められていて、紙面からその熱量が伝わってきます。
加えて、高評価を得た紙面に共通するのは組合員の声が様々な形で掲載されている点です。組合員の声や思いがどれだけ紙面に反映されているかも、かべ新聞の重要な要素です。
情報を伝える媒体ではなく情報を共有する媒体としてのかべ新聞が増えることを願っています。

最優秀賞:「はんどる」
関西地連 神姫バス労働組合
西神支部 乾 大介
ポスターの部
総評
印象的な作品めざし日頃から街中ポスターの観察を
審査員 上原 章(イラストレーター)
ポスターの部は21点の応募がありました。昨年より3点増えました。私たちの生活を直撃する物価高、大きく変化した日本国内の政治状況のみならず、アメリカをはじめとする世界情勢も大きく変化する状況だったことを考慮すれば題材には事欠かなかったと思います。その意味でももっと作品が増えることを期待していただけに少し残念でした。
最優秀賞は北陸鉄道労組の岡田さん。2年連続での最優秀賞受賞となりました。企業の人員不足をユニークな描画で表現したことを評価しました。
優秀賞は名鉄労組の丸山さんと、岡田さん同様2年連続となった京福労組の松山さんの作品を受賞としました。丸山さんは特有の人物描画で、松山さんは安定感ある作風で春闘ポスターを仕上げています。
佳作は三重交通労組の井關さん、東濃鉄道労組の勝さん、神姫バス労組の吉田さんの三人が受賞となりました。
今回は比較的おとなしめのポスターが多かったように見受けられます。どのように表現すれば印象的な作品に仕上げられるか、日頃から街中のポスターを観察してみてください。

最優秀賞:「猫の手も借りたい状況??」
北陸地連 北陸鉄道労働組合
金沢営業所 岡田 陽助
川柳の部
総評
具体的に平和が表現できるのは、平和を実感している証拠
審査員 島田 駱舟(印象吟句会 銀河主宰)
平和は命の安全が日常的に保証されている状態と言えます。ウクライナと中東は戦闘が長期的に続き、平和には遠い状況となっています。また、核軍縮の頓挫、覇権主義的な軍事行動、内戦などで、地球規模で平和が脅かされているのが現状と思われます。
こうした世界状況のなかで日本は平和な国と言ってよいでしょう。今回の集まった作品を読んで、改めて平和な日本を感じさせられました。それは具体的に平和を詠んでいる作品が多かったからです。具体的に平和が表現できるのは、平和を実感している証拠です。
その背景には、ほぼリアルタイムにウクライナや中東の戦況報道があるでしょう。それを観て日本の平和を嫌でも実感するはずです。
平和は観念的なものではありません。日常に根差した暮らしに直結する状態です。まずは実感し、それを持続する努力が必要です。平和を実感し、それを作品にした皆さんは、真の平和運動家と言えるでしょう。
- 最優秀賞
- 「地下鉄で 目を閉じられる この平和」
関東地連 東京地下鉄労組 丸ノ内・南北支部小石川技術分会 上野 滉介
総評
急速に変化する情報共有の仕組み機関紙に求められる新たな形は
審査員 水嶋 清光(株式会社広報宣伝総合研究所代表)
今年の応募は、5地連22単組で昨年より地連数で3、単組数で2の減となり残念です。
昨年の総評で、どの機関紙も写真が多くなり、それも人(組合員)が増えてきたことを指摘しましたが、今年はその傾向がさらに強くなっています。
「事」も「人」が伝えることで、より伝わりやすくなります。組合員が一番興味・関心を持つのは実は「人が発する情報」です。加えて紙面に人がたくさん登場することで、組合員の機関紙や組合そのものに対する親近感が増し、そこから発せられる情報に対する信頼度も増します。そのことに組合本部も気が付き始めたのだと思います。
組合が発足して80年が経ちました。機関紙の発行も同じ年月を経ています。その間に、情報発信の手段や手法が大きく変化してきました。その変化のスピードに比べて機関紙の変化は決して素早くはなく、従来の情報伝達手段と手法が継続されています。
ここ数年でその変化がさらに急激に進んでいます。労働組合もこの辺で「組合員との情報伝達(共有)のあり方を見直す時期にきていると思います。
「なんのために機関紙を発行するのか?」「機関紙で伝える情報は何が適切なのか」を改めて考え、今の組合員に届き理解・納得してもらうには何が必要かをみんなで考えましょう。
いま組合と組合員に一番必要なのが「情報と状況の共有」です。そのために一番有効なのは「組合員自身の参加」です。組合員一人ひとりが何らかの形で組合と接点を持ち関わることで組合員は「当事者」になります。当事者になることで、労働組合の存在や活動に対する組合員の理解や興味・関心が深まります。新しい機関紙がその役割を担えることを願っています。